ノベライズドフィクション「会員制動画配信サイト制作のご提案にある、この法人管理機能ってなんですか?」2
※本記事は実際にあった複数の出来事や人物をNDAに抵触しないようにミックスまたはアレンジをして、ノベライズドフィクションとして再構成しています。
中田が続けた。その1はこちら。
「まず、通常の商談で病院と契約しますよね。」
「はい。」
「そうしたらまず管理機能にログインしていただき、法人管理のところで新規に利用する医療法人、病院を登録して頂きます。お客様の運用責任者のお名前とメールアドレスもここで登録していただきます。」
「なるほど」
「そうすると、後はこの病院の管理責任者のメールアドレス宛に、管理機能のURLとアカウントが自動で送信します。後はその責任者の方が、必要な医療スタッフの登録を管理機能からしていただければOKになります。中田は先ほど絵を絵を書き換えた。
吉田が大きくうなずいた。「なるほど、確かにこれならうちは医療法人と責任者さえ登録してしまえば、後は手間もかかりませんね。ただ、契約内容によっては当然一人しか利用できなかったり、100人が利用する場合もあります。医療法人側で勝手に契約上限を超えたユーザー登録をされてしまうと困るのですが・・・そういう場合はどうなるのでしょう?」
「ご安心ください、御社が法人登録画面にて、ご契約した医療法人を最初に登録する際、利用ユーザー数の上限も同時に登録するのです。そうすると、企業管理者が社員を契約上限以上登録しようとすると、警告メッセージが出る形となります。勿論後から変更も可能です」
吉田は思わずうなずいた。「なるほど!これなら便利で手間いらずですね!ん、でも待てよ・・・」
「どうかされました?」
「確かにこれは便利な機能です。しかし、病院によっては、最初のユーザー登録が面倒だら、こっちでやってくれないか、と言われしまう場合もあると思うんです。その場最初の100人とかはこちらで登録しないといけなんでしょうか?これだと結局管理機能を作った意味が無いし、かなり手数がかかってしまうと思うのですが」
田中はそこも想定済みとうなずきながら答えた。
「当然お客様によっては、やってよ、というところも出てくると思います。でもご安心下さい、そこも当然考慮済みです。システム開発をするときのべき論は、「ユーザーが出来ることは管理者も出来る」様に作る、というのが大原則なんです。意外とここをフォローしてないWebシステム開発会社もありますが、この法人企業管理もそこはきちんと考慮しています。」
「おお、良かったです。」
「なので御社では利用する医療法人を登録するだけではなく、契約した医療法人に代わって利用ユーザーを代行で登録することも出来ます。その方が営業も現場でお客様と話がしやすいですよね」
中田の良いところは、現場で使う営業の事も考えてシステムの設計提案が出来る事だ。吉田は改めて関心した。
「ありがとうございます。営業的には結構商談時の武器になると思います。それで、大人数を効率よく登録する方法って、具体的にどのような形になるのでしょう?」
田中が説明を続けた。
「こちらの管理画面にCSV登録というボタンがあるが見えますでしょうか。」
「ありますね」
「ここを押すと、名前とメールアドレスのリストをアップロードすることが出来ます。そこで何百人もの社員を一括で登録することが出来ます。これがCSVサンプルです。今送りますね」
中田がzoomのチャット画面からcsvファイルを吉田に送った。
「中田さん、ありがとうございました。受け取りました。なるほど、これを病院から受け取ればいいのですね。」
「はい、その通りです。勿論通常のフローで一人一人の追加修正削除も可能です。代行で登録してほしいという医療法人も、ユーザーリストくらいは送っていただけるでしょうから、この機能があれば簡単に御社で対応が可能で、いちいち100人個別に登録する必要はありません。勿論医療機関の責任者も同様の処理がご自身で行えます」
「なるほど、これならカンタンです。それで今CSVの中身を見ると、名前とメールアドレスしかないのですが、病院によっては部署名も表記したいので、と言われる場合もあると思うのですが、項目の追加はは大丈夫なんでしょうか?」
「毎回可変だとそのたびにシステムへ修正を加えないとならないのであまり現実的ではありません。なので事前に想定される項目をすべてピックアップして、表示して欲しい箇所にだけ入力をして頂く形にすればいいと思います。入力した部署名などの値だけが、本人のログイン後のページでも表示出来るようにします」
「それはありがたいですね」
「また、お客様からのメールリストが万が一の誤入力の可能性もあると思います。そこで、頂いたCSVを管理画面から投入した時に、そのメールアドレス宛に、認証URL付きのメールをお送りした方がいいでしょう。メールをもらった職員がそのURLをクリックすれば、そのメールアドレスは間違いないということになりますし、そこで初めて会員制動画サイトを利用できるようにします。ここまでチェックすれば大丈夫だと思います。」
「もしそれ面倒だからと医療法人に言われたらどうしましょう?」
中田は何のためらいもなく応えた「そこは仕様的には誤差です。それに今回のWebシステム開発は、パッケージ販売ではありませんので、仕様的にはどうにでもなりますから外せばいいだけです」
これは心強い、と吉田は思った。かなり先回りして仕様を提案してくれる。他方、至れり尽くせりだが、もう一つの懸念がすぐに浮かんできた。吉田は恐る恐る中田に尋ねた。
「中田さん、かなり気の利いた形で開発していただけるのは分かりました。ただ、一点ちょっと心配なのですが、、、価格的にはどういう感じになるでしょう?結構な額になってしまうのかなとちょっと心配なのですが・・・」
(続く)