マクドナルドの教訓から学ぶ転売ヤー対策
ここ数日、マクドナルドが大炎上しています。勿論火元はポケモン・ハッピーセットのキャンペーンです。
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ニュースリリース | マクドナルド公式 ハッピーセットRのおもちゃで楽しく考えて遊ぼう!ピカチュウやイーブイなどのポケモンや、メガシンカしたポケモンたちが、コマやディスクランチャーのおもちゃで登場ひみつのおもちゃ含む、全9種のラインアップハッピーセット「ポケモン」、8月8日(金)から期間限定販売週末はさらに楽しいプレゼント付き!8月9日(土)、10日(日)、11日(月・祝)の3日間は、ポケモンカード2枚セット(オリジナルイラストのピカチュウ1枚+ランダムで1枚)を数量限定でプレゼント
このリリース、良く見ると、確かに下に小さく注釈として
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※ハッピーセット「ポケモン」を、おひとりでも多くのお子様にお届けするため、8月9日(土)-8月11日(月・祝)の3日間はおひとりさま5セットまでのご購入をお願いいたします。
と「お願い」が記載されています。が、当然転売ヤーさん達が言う事を聞くはずがありません。
案の定ポケモンカードが速攻メルカリで高額転売され、食べきれないほど購入したハンバーガーはあちこちで捨てられる始末。フードロスをなくそう、SDGSで行こうよな世の中を全力で逆爆走する事態となっています。
何の対策もせずに
とりあえず売れれば良いという
腐り切った商魂で
多くの子ども達を泣かせて
外国人転売ヤーを笑顔にする
マクドナルドのハッピーセット pic.twitter.com/VtOmtTFFAB— ベリ (@092ne) August 9, 2025
朝マック食べに来たらクソチャイナ転売ヤーが湧いてた
普通に迷惑だし日本から出ていってほしい。そんでマクドナルドはいい加減きっちり対策しろ pic.twitter.com/2Eoc4IpvEE— はぴ@メイ (@hapi_tori) August 8, 2025
マクドナルドは以前もちいかわのハッピーセットなどで同様の批判を浴びた事があり、実はこのようなトラブルは今回が初めてではありません。SNS上ではマクドナルドへの批判が殺到しており、売上は立ったかも知れませんが、それ以上にブランドを大きく毀損する事態となっています。
それではこのような転売ヤー対策、一人何個まで、という購入個数に制限をかけるにはどうしたらいいのでしょう。その具体的な方法論にフォーカスしてご説明をします。BtoC向け商品を販売している企業の方にもご参考になるのではないかと思います。
結論。100%購入制限を守らせることは出来ない
結論から言うと、100%購入制限を守らせることは出来ません。悪意があれば何でも可能です。例えばWebサイトに画像をアップした際、その画像が他で不正流用されないように、右クリックで保存をできないようにする、という手法がありますが、あれも画面キャプチャをまるごと取れば画像を抜かれてしまいます。結局それと同じです。
しかし、ある程度面倒臭くして購入制限を可能な限り守らせようとする事事態は可能です。以下、この100%は無理だが、多少であれば対処可能、という前提にたって、その具体的な手法についてご説明します。
まず前提としてアプリを活用する
購入個数制限についてはまずアプリを使って貰う事が大前提になります。アプリなくしては実質出来ません。要はモバイルオーダー限定商品としてしまう事です。勿論それだとアプリ、スマホを持っていないユーザーは買うことが出来ませんがそれはやむを得ません。割り切って設定することが重要です。オフラインでの販売方法を残すと、販売個数を守って貰うことは絶対に不可能です。
具体的な仕組み
アプリをインストールすると、スマートフォンがアプリに対して、固有のユニークなIDが割り当てられます(ここでは便宜上「アプリID」と言う名前にします)。そのアプリを利用するには会員登録を必須とします。その会員登録で使ったメールアドレスとアプリIDを紐付けるわけです。
モバイルオーダはアプリ上からのみ出来る様にする事によって、誰が何個頼んだのか、という個数制限をかけることが出来るわけです。
メアドを変更されたらどうなるの?
しかしここで、アプリでログアウトして、新規会員登録をしてしまった場合はどうなるのか、という疑問が生じます。安心して下さい。アプリIDがありますので、例え違う捨てメールアドレスで新規登録しても、注文個数は履歴として残りますので、個数制限以上は購入することは出来ません。モバイルオーダーで注文する際に
「お客様は以前上限個数をご注文頂いておりますので、これ以上のご注文は出来ません」
と自動でメッセージを出せばいいのです。
アプリを入れ直されたら?
では今度はアプリを入れ直されたらどうなるのでしょう。この場合、先に使っていたアプリIDはリセットされてしまいます。つまり、アプリIDと会員アカウント(メアドとパスワード)の紐づけは解けてしまいます。しかしこの場合も会員アカウントで使ったメールアドレスに紐付ける形で販売個数履歴を管理・把握することが出来ます。なので、アプリを入れ直しても、以前使っていたメールアドレスでログインしなおそうとすると、個数制限が発動します。また退会処理をして、同じメアドで新規会員登録しようとしても同様です。
またモバイルオーダーで使う決済方法と紐づけして、販売個数のチェックをかける事も可能です。
では、アプリを入れ直し、かつメールアドレスも新規のものを使われ、決済でクレカも別のものを使われたらどうなるでしょう。この場合、残念ながら個数制限を守らせることは出来ません。冒頭でも書いた通り、100%個数制限を守らせることは現状不可能です。
以前であればiOSでもAndroidでもUDIDというスマートフォン固有の端末番号を公式アプリであれば取得することが出来たので、スマートフォンに紐付ける形で個数制限をつけることが出来ましたが、今はプライバシー保護の観点から出来なくなってしまいました。
ただし、ここまでやれば、個数制限をかいくぐるのはかなり面倒なのは間違いありません。この面倒な具合で、個数制限以上購入する、という事に対して一定程度の抑止力にはなると思います。