Webサイトに来たアクセス、ちゃんと売上につながってますか?分析・改善の方法を解説
「アクセスは伸びているのに、売上(お問い合わせ)が増えない」というのは、日々ご相談を受ける定番課題です。
原因の多くは、「訪問 → 問い合わせ」までのプロセスが設計・計測・最適化されていないことにあります。
この記事では、アクセスを売上に変えるための考え方と具体策を整理してお伝えします。
目次
Webサイト訪問から売上につながるまでの流れ
改めて、Webサイトに見込み客が訪問してから売上につながるまでの流れを可視化すると以下のようになります。
「訪問」→「サービスページ/商品ページ閲覧」→「お問い合わせ/資料DL」→「アポ・商談」→「受注」
商材やターゲットによってパターンは異なると思いますが、大枠の流れとしては上記のような形です。
そのため、最初に訪問したページからサービスページへの遷移率、サービスページからのお問い合わせ率を上げることで、同じアクセス数でも売上が大きく変わってきます。
この流れを計算式に直すとこうなります。
アクセス数 × サービスページ遷移率 × お問い合わせ率 = 売上
※無形商材(BtoBなど)の場合、お問い合わせ後の商談率・受注率も最終的な売上に影響しますが、ここはインサイドセールス領域のため、本記事ではWebサイト内で完結する数値にフォーカスします。
例えば、1,000人がアクセスし、そのうちの10%がサービスページへ遷移し、そのうちの10%がお問い合わせに至る場合、
1,000 × 10% × 10% = 10件のお問い合わせ
となります。
このうち、お問い合わせに至る確率を20%に上げることができれば、単純計算ですが同じアクセス数でも問い合わせ率は2倍になります。
お問い合わせや商品購入など、最終的な成果をCV(コンバージョン)と呼び、CVに至る割合をCVRと呼びます。
今あるアクセス数で売上を最大化するためには、このCVRを上げることが重要です。
CVRを改善する具体的な5つの施策
ここからは、CVRを向上させるために有効な施策を5つ紹介します。
ターゲットを設定する
まずはどのような人物をターゲットにするのか、具体的に定めましょう。
男女・年齢・所得などによって、刺さる訴求は異なります。
自社が求めるターゲットを明確にしたうえで、そのターゲットに合った発信、訴求、デザインを設計することが重要です。
CVまでの数値を計測する
CVRを改善するためには、そもそもどのページがどれぐらい見られていて、どれぐらいCVにつながっているかを把握しておく必要があります。
しかし、この計測ができていない企業は意外と多いです。
GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーといった無料ツールを使うことで、どこからアクセスが来ていて、どのページからCVが発生しているかを細かく分析することができます。
ソースコードを編集する必要があるので、サイトを制作する際にこの設定もしておくと良いでしょう。
お問い合わせフォームの最適化(EFO)を行う
ユーザーがサービスに興味を持ったとしても、お問い合わせフォームの使いづらさが原因で離脱してしまうことがあります。
入力項目が多すぎたり、半角と全角の区別でエラーになったり、スマートフォンからの入力がしづらい設計になっているなど、ほんの些細なストレスが離脱の原因となります。
こうしたフォームの使い勝手を改善して入力完了率を高めることを「EFO(Entry Form Optimization)」と呼びます。
たとえば、入力項目を必要最低限に絞ったり、入力内容の自動補完を取り入れたり、入力中のエラーメッセージをわかりやすく表示することで、ユーザーの離脱を防ぎ、CVRの向上を実現できます。
EFOの具体例については、以下の記事でご紹介しています
【発注者向け】お問い合わせフォームでは郵便番号にハイフンがあっても無くても受け付けないとダメ
ランディングページの最適化(LPO)を行う
ランディングページ(サービスページ)に訪れたユーザーが実際に問い合わせまで行動を起こすかどうかは、ページの構成や訴求内容に大きく影響されます。
このようなランディングページの改善をLPO(Landing Page Optimization)と呼びます。
具体的には、最初に目に入るファーストビューで何を提供しているのかを一目で伝えることや、ユーザーが知りたい情報を適切な順番で配置すること、導線の数や位置を調整することなどが挙げられます。
また、ボタンの文言や配置、画像の有無などを比較検証しながら、成果の高いパターンに近づけていくA/Bテストも欠かせません。
LPOは地道な作業ですが、CVRに直結する重要な取り組みです。
CTAを最適化する
サービスページへの遷移や問い合わせへのアクションを促す要素がCTA(Call To Action)です。
CTAの文言やデザイン、配置場所によってユーザーの反応率は大きく変わります。
たとえば、「お問い合わせはこちら」よりも「〇〇の無料相談を申し込む」といった具体的な文言の方が行動を起こしやすい傾向があります。
また、ボタンの色やサイズ、周囲の余白の取り方なども視認性に影響を与えるため、ターゲットとなるユーザーの心理に合わせた設計が求められます。
ページ内のどこにCTAを置くのか、複数設置するのか、一度スクロールした後でも戻れるように固定表示するのかなど、細かな工夫が成果を大きく左右します。
CVR改善に成功し、お問い合わせが5倍に増えた事例
株式会社アイ・ピー・エル様では、Webサイトリニューアルの際に個々のコンテンツを整理し、お申し込みへの導線をわかりやすくしました。
その結果、リニューアル前と比べて問い合わせ数が5倍に増加しました。
ただデザインをリニューアルするだけではなく、「どのように売上アップにつなげるか?」という視点を持った制作会社に依頼することが重要です。
詳しくはこちらのインタビュー記事でもご紹介しています。
見込み客からの問い合わせが約5倍に増えたのに、広告費は1/3で済んでいます。
まとめ:ユーザーを意識した改善でCVRアップを図ろう
Webサイトの成果は、アクセス数だけを見ていても本質的な改善にはつながりません。
訪問者がどのページを経由し、どのような行動を取った結果としてCVに至ったのか、その流れを可視化し、改善を重ねていくことが重要です。
ターゲット設定、数値の計測、EFO・LPO・CTAといった施策は、いずれもユーザー視点での使いやすさと共感を意識することが成功の鍵です。
もし自社のWebサイトが「アクセスはあるのに売上につながらない」と感じている場合は、まずはCVにつながるまでの導線を可視化し、それぞれの数値を改善していきましょう。