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先日入社したばかりのADに「ビールはビールにもおしっこにも見えるから気をつけよう」と伝えた話。

先日入社したばかりのADに「ビールはビールにもおしっこにも見えるから気をつけよう」と伝えた話。

最終更新日:2022/04/13   公開日:2022/04/12

先日入社したばかりのADとこんな話をしました(実話)。

 

私「ADさん、先日バックログ課題管理機能で、私がお客様と仕様の範囲について議論したのを覚えてる?」

AD「ええ、はい、あの今やってる新聞社さんの新Webメディアサイトの開発ですよね。私がその件のAD担当ですし勿論覚えてます。確か記事コンテンツ本文で右クリックのコピー禁止にして欲しいってお客様がおっしゃっていたお話ですよね」

私「そう」

AD「あれ、田中さん、コピープロテクトは絶対に意味が無いから辞めた方が良い、むしろWebメディアのPVを増やす上でデメリットの方が大きい、ってすごい主張して、結局田中さんの仕様で了承してもらっていましたよね」

私「その通り。でもね、あれ言い方を間違えてたら、多分全く別の結論になっていたと思う。」

AD「どういう事でしょう?」

私「まず覚えておいて欲しいんだけど、プロジェクトを走らせている途中で、仕様の細部でお客様と仕様について認識の差異が生じることは決して珍しい事じゃないってこと。むしろあって当たり前だと思って下さい。」

AD「はい」

私「そういう認識の違いを解決する時に大事なのは、まずサイトを運営するお客様の視点に寄り添う事なんだ」

AD「はあ。まあ主旨は勿論理解できるのですが、今一つ具体的なイメージがわきにくいですが。。。」

私「まず仕様について認識に差異が生まれると、そこで議論になるよね。そうすると、私達日本人は議論になれていないから、つい言い方に角が立ってしまったり、自己防衛本能が頭をもたげてしまう。特に明らかにお客様の言う仕様が間違っている場合、いかに相手に言うことを聞いて貰うかが議論の中心になってしまい、そうすると場合によってはお互い感情的になってしまう事はままある事なんだ。テキストだと特にそうなりがちです。」

AD「なるほど。。でもその場合どうしたらいいんでしょう?」

私「それがさっき言った「寄り添う」という事なんだ。今回の場合で言うなら、まずなぜお客様がコンテンツ記事にコピープロテクトをかけたい、と言い出したか、という視点に寄り添うこと。どうしてお客様がそう言ったか分かる?」

ADはちょっと間を置いてから答えた。

AD「もしかしてあれですかね、自分達の書いた有料記事が、コピペで盗用されて無断利用されては困る、って事ですかね?」

私「そう。その通り。コンテンツ記事を作っている側から見れば、熟練の記者が書いた、足と時間とノウハウと人脈を駆使して書いた記事が、コピペされて盗用された日にはたまったもんじゃないよね?大切な財産を盗まれるんだから。君も同じ立場ならそうだろ?」

AD「そうですね、めっちゃむかつきますね」

私「そう、そこなんだよ。気持ちは分かる。しかし、コピープロテクトをいくらかけても、確信犯的な奴を防ぐ方法がない。YouTubeの動画と一緒だ。ネットは公開と非公開が同居している、常に矛盾したメディアなんだ。イヤならネットで公開しなければいいという話になるけど、そんな訳にもいかないだろ?交通事故があるから車を使わない、って選択肢はないよね?」

AD「はい、そうですね」

私「だからこそ、心配になる気持ちは分かります、とまずそれをきちんと「最初に」言う、又はチャットに書くこと。それが「お客様の気持ち、視点に寄り添う」、という事なんだ」

AD「なるほど、そうなんですね」

私「そしてその次に、ロジックでデメリットについてきちんと説明する。また傍証として同業他社のサイトでコピープロテクトを書けているところはほとんど無いという客観的な証拠だったり、Yahooニュースにもテキストにコピープロテクトかかってないですよね?ときちんと論拠となる説明をしていく事が大切なんだ」

AD「なるほど、最初に私もそのリスクは分かっています、という事をきちんと書いて、お客様に「デジファも問題は共有してくれてるんだな」という安心感を与える、という事なんですね。そしてその次にロジックな説明をする、という事ですか」

私「そう、その通り。伝え方、つまり言い方やチャットでのちょっとした書き方で、言いたいことの本質は変わらないのに、全く違う主旨で受け止められてしまうという可能性は常に注意を払ってください」

AD「なるほど・・・」

私「ADさん、先日の会社の呑み会で美味しそうにじゃんじゃんビール呑んでたけど、ビール好きだよね?」

AD「はい、大好きで良く呑みます。」

ADがその日酔っ払ってあまりに元気になりすぎたため、途中でタクシーに乗せて無理矢理帰らせたことは翌日社内でちょっとした小ネタになっていたが、そこには触れず私は話を続けた。

私「ビールはどんな入れ物に入れてもビールだ。でもビアジョッキに入っていたら、誰でも無条件にビールだと思うけど、それが試験管に入ってたら「あれ?もしかしておしっこ?」って思うだろ?」

AD「すごいわかりやすい例えですねw。確かに試験管に黄金色だとヤバいですね」

私「そう、入れ物が違うだけで、本質は同じなのに受け取り手を疑わせてしまう。だからこそ私達は入れ物としての【言葉】を大事に仕事をする必要があるんだ」

AD「なるほど。先日のコピープロテクトのお話にはそんな教訓があったんですね。単に上手に説明してるなくらいしか思ってませんでした。ありがとうございます。気をつけます」

私「これからADさんもWebディレクターになった時に、自分が管理者としてお客さんと接する機会が出てきます。お客様に信頼されるディレクターになってください」

AD「ありがとうございます!」